映画女優・歌手　カトリーヌ・スパーク　Catherine Spaak

Catherine Spaak　　

カトリーヌ・スパーク

生年月日： 1945年4月3日
出身地：フランス／ブローニュ＝ビヤンクール
身長： 175cm

　1960年代初頭～1960年代後半に、イタリアやフランスなど国際的に活躍した、爽やかな雰囲気が魅力のスレンダー美人女優。歌手でもある。小悪魔的なお嬢様スタイルで、男性達を魅了した。ファッション的にも現在に通じるところが多々あり、再評価されている。

　パリ近郊ブローニュ＝ビヤンクール生まれ。父親のシャルル・スパークはベルギー人の脚本家（フランスで活躍した。）。祖父はベルギーの外務大臣だったという。姉のアニエスも女優。
　父の影響で幼い頃から映画業界入りを切望し、親の反対を押し切って14歳の時に、ジャック・ベッケル監督の1959年「穴」でワンシーンながら映画初出演、本国ベルギーで端役デビュー。
　翌年イタリアに渡り、ソフィア・ローレンの助言を受け、少女の、性へのあこがれと幻滅を描いた青春映画、アルベルト・ラットゥアーダ監督の「17歳よさようなら」で主役を演じ本格デビュー。同作品は大ヒットし、彼女は一躍イタリアの青春スターに。
　1561年には、中年男と娘の情事を描く、ルチアーノ・サルチェ監督の「遊んだだけよ」で、主役のフランチェスカを演じた。
　翌1962年には、離婚した中年男が若い女性に夢中になり、彼女とその仲間に翻弄される姿を描いた、ルチアーノ・サルチェ監督の「狂ったバカンス」にドライな女の子フランチェスカ役で主演した。
　そして、若者たちの恋を描いた陽気なバカンス・ムービー、カミロ・マストロチンクエ監督の同年「太陽の下の18才」でもニコル・モリノ役で主演している。
　若い女性の気まぐれを描いた青春ドラマ、フロレスターノ・ヴァンチーニ監督の1963年「恋のなぎさ」でも厳格な教育を受けてきたが、近代的な娘“セルジャ”という役どころで主演。
　1963年には、女に翻弄される男の情愛関係を描き出す、ダミアノ・ダミアーニ監督の風俗ドラマ「禁じられた抱擁」に小悪魔ヒロインの老画家のモデルをしている娘セシリア役で出演した。
　1964年には、恋愛オムニバス映画「愛してご免なさい」に三話ともに顔を出している。
　生活を淡々とやり過ごしていく兵士たちの姿が戦争の一面の真実を確かに示している、ユニークな反戦映画、アンリ・ヴェルヌイユ監督の1964年「ダンケルク」では、姉妹二人で屋敷を守る娘ジャンヌ役を演じ、ジャン・ポール・ベルモンドと共演。
　そして、第一次世界大戦前夜のパリを舞台としている、ロジェ・ヴァディム監督の1964年「輪舞」では、街角で拾われる娘役を演じ、ジェーン・フォンダと共演した。
　1967年には、若くして未亡人となったミミが繰り広げる男性遍歴を描く官能ドラマ、パスカーレ・フェスタ・カンパニーレ監督の1967年「女性上位時代」にミミ役で出演。同作は、インテリアがいかにも1960年代のイタリアらしくシャープで芸術的。カトリーヌスパーク扮する主人公のミミのファッションはこの時代のお洒落な映画（カトリーヌ・ドヌーヴ主演の1964年「シェルブールの雨傘」やオードリー・ヘプバーン主演の1961年「ティファニーで朝食を」等）を超えているとの評判も。
　しかし、1970年代初頭より人気は失速してしまう。以後は出演作がB級映画や低予算スリラーなど従来の作品とは様相が変化していった…。

　歌手としては、1961年に『ペルドーノ』でデビュー、1962年にフランソワーズ・アルディの『男の子、女の子』をイタリア語でカバーした『若い世代』が、大ヒット。この年は4曲の歌をヒットさせて年間ベスト女性の部で3位に。1964年『青春に乾杯』、1965年『青春がスパーク』とヒットを出したが、1966年以降は女優に専念し、映画・ミュージカルの主題歌以外は録音をやめてしまう。1965年『愛してご免なさい』のプロモートのため来日している。

　日本に於いては、「太陽の下の18才」でのスラリとした肢体のかっこよさから脚光を浴び、後年に来日するなどジャクリーヌ・ササールに代わって高い人気を得た。日本でも雑誌『スクリーン』の“人気スターベスト20”で1965年5位、1966年8位にランクされた。

　私生活では、1963年に「太陽の下の18才」で共演した俳優のファブリッツオ・カプッチと結婚し、男児をもうけたが、1年足らずで離婚。歌手のジョニー・ドレッリと結婚して、男児をもうけたが、後に離婚。その後、俳優のオルソ・マリア・グエリーニと結婚した。