映画女優　アイェレット・ゾラー　Ayelet Zurer

Ayelet Zurer　　

アイェレット・ゾラー

生年月日： 1969年6月28日
出身地：イスラエル／テルアビブ

　故郷イスラエルで開催される映画祭では、女優賞に複数回ノミネートされ、一度受賞するなど母国イスラエルで超一流女優としての地位を確立している。

　主な映画出演暦としては、1960年代の中東戦争最中にあるイスラエルの農園地帯を舞台に、ボランティアとして教師の男と共に暮らす一人の女と、そこを訪ねた昔なじみの3人の男の交流を描きながら、戦火の中、強く生きる女の姿を映し出してゆく、アレクサンドル・アルカディ監督のヒューマン・ドラマ1991年「熱砂に抱かれて」に出演、ソフィー・マルソーと共演。
　2003年には、サヴィ・ガヴィゾン監督の官能エロス「裸の女神」の濃厚ベッドシーンで大胆ヌードを披露。同作は、イスラエル・アカデミー賞で13部門にノミネートされ、作品賞ほか11部門を制覇。体当たりの演技が、高い評価を得たアイェレット・ゾラー本人も主演女優賞を受賞し、アカデミー賞外国語映画賞のイスラエル代表にも選出された。
　そして、「裸の女神」を観たスティーブン・スピルバーグが自身の作品2005年「ミュンヘン」で彼女を主人公の妻役に抜擢したことで評判となり、ハリウッド作品に進出するきっかけにもなった。同作は、1972年のミュンヘン・オリンピックで起きたパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手殺害事件とその後のイスラエル暗殺部隊による報復の過程をリアルかつ緊迫感のあるタッチで描いた衝撃の問題作で、彼女はアヴナーの妻ダフナ役を演じ、エリック・バナ、ダニエル・クレイグらと共演している。
　2007年には、カナダの詩人アン・マイクルズの世界的ベストセラー『儚い光』を映画化した、第二次大戦中のナチスによって家族を奪われ孤児となったユダヤ人少年がギリシャ人地質学者に救われた後、成長する中での魂の遍歴を描く、ジェレミー・ポデスワ監督の「儚い光（原題：Fugitive Pieces」にミカエラ役で出演、ロザムンド・パイク、アン・マイクルズらと共演。同作は、2007年カナダ・トロント映画祭などに出品され、各種映画祭の賞を受賞した。
　2008年には、大統領狙撃の瞬間を目撃した8人の異なる視点から暗殺事件の真相に迫るさまをスリリングに描く、ピート・トラヴィス監督の「バンテージ・ポイント」にベロニカ役で出演、デニス・クエイド、シガーニー・ウィーヴァーらと共演。
　同年には、イスラエル人小説家ヨラム・カニュクの原作を元にした第二次世界大戦のホロコーストを描く、ポール・シュレイダー監督の「Adam Resurrected」にも出演、ジェフ・ゴールドブラム、ウィレム・デフォーと共演している。
　近年では、「ダ・ヴィンチ・コード」の続編となる歴史犯罪ミステリー、イタリアのローマで400年の時を超えてよみがえった秘密結社・イルミナティによるバチカンへの復讐を阻止するべく、ガリレオの暗号コードに挑む宗教象徴学者・ラングドンの活躍を描く、ロン・ハワード監督の「天使と悪魔」でヒロインの科学者ヴィットリア役を演じ、トム・ハンクスやユアン・マクレガーと共演している。

　私生活では、2005年に第一子となる長男を出産した。